神使の社

◆ 狐 -Kitsune- ◆

狐と鳥居のイラスト
「稲荷神社」と名がつく神社で出会えるのが、狐の神使。
稲荷神社では<宇迦之御魂大神(ウカノミタマノオオカミ)>という
稲荷神が祀られており、狐はその神使です。

◆ そもそも「稲荷(いなり)」とは

「稲荷」という言葉は、稲成り(いねなり)、もしくは稲生りという、
稲が育つこと、稲を担うことを意味しており、
宇迦之御魂大神(ウカノミタマノオオカミ)が食物や農耕を司る神であることから
「稲荷神」「稲荷神社」と呼ばれるようになりました。

◆ なぜ狐が神使となったのか

"豊穣をもたらす山の神は、里へ降りると田の神・稲荷神になる──"
古来より、上記のような田の神・山の神の信仰が存在しています。
春に里へと降りる山の神は、田の神(稲荷神)となって稲の成長を守護し、
収穫を終えた秋に再び山に帰り、山の神になるというものです。

そんな山の神・田の神と同じ時期に姿を見せていた動物が狐。
春に山から降りてくると人前に姿を表すことも多く、
田の神が山に帰る時期に山へと戻っていく──
行動や時期が重なることから、いつしか狐が稲荷の神使と考えられるようになったのが、
神使となった謂れの1つです。(諸説あり)